| 『肘や膝に丸い赤い皮膚炎ができたので、皮膚科に行ったら乾癬(かんせん)といわれました。どんな病気なのですか?うつるのですか?』(40歳・男性) |
乾癬は、年齢に関係なく、肘・膝・腹部・腰部・頭などにカサブタが付いたような赤い皮膚炎を起こす病気です。カユミがあることが多く、種類としては、
- 尋常性乾癬
- 滴状乾癬
- 膿庖性乾癬
- 関節症性乾癬
などがありますが、90%は尋常性乾癬です。女性より男性に多く発症して、人種としては白人に最も多くみられるため、欧米ではよく知られた皮膚病です。白人に次いで我々黄色人種にも多く見られます。
皮膚は表皮、真皮、皮下組織から構成されます。通常、表皮は4週間の周期で新陳代謝が起こり、古い層は脱落していきます。この変化が、正常の4倍の1週間で起こることで乾癬は発症します。要するに、本来はまだ表面に出てきてはいけない層が現れるために刺激に弱く、炎症を起こしてしまうわけです。乾癬が肘・膝・腹部・腰部・頭によくできるのは、日常生活で当たったり、擦ったりといった刺激を受ける機会が多い場所だからです。腹部・腰部は、下着、ズボン、スカートなどで慢性的に擦れますし、頭部は、毎日のように洗髪の際に擦ります。
皮膚炎の大きさは様々で、地図状に広範囲に出るものもありますし、指先程度の大きさのものがたくさん出てくることもあります。一見すると皮膚真菌症(みずむし)と似ていることがあるために周りや家族からから早く皮膚科を受診するように言われることも多いようです。その他にも脂性肌の脂漏性湿疹、乾燥肌の貨幣状湿疹などの湿疹と診断に苦慮することがあります。
原因はいろいろな説があり、まだはっきりしていません。今のところ、
- アレルギー
- 副鼻腔炎、扁桃腺炎などの炎症
- 糖尿病、高脂血症などの代謝障害
などが考えられています。感染性の皮膚病ではありませんので、掻き壊して「とびひ」にでもならない限り、他人にうつることはありません。
日常生活で注意することは、なんといっても皮膚が刺激に弱いため、不必要に擦ったり、圧力をかけたりといったことは避けるべきです。また、日光浴は適度に行うと症状を改善させます。ただし、晴れの日の午前10時から午後2時までの強い日差しの下や、皮膚が真っ赤になるまで長時間日焼けするとカユミが出て悪化します。柔らかい日差しの天気や時間帯を見計らって、適度な長さで行うと良いでしょう。
治療は、
- ステロイド軟膏、あるいは活性型ビタミンD3軟膏の塗り薬
- 紫外線療法
- レチノイド(ビタミンA類似物質)の内服
- シクロスポリン(免疫抑制剤)の少量内服
などが主なものとなります。これらの治療を種類と症状・経過に応じて単独あるいは、組み合わせて行います。乾癬は残念ながら、ほとんど出てこない程度に改善させることはできても完治させる事はできません。継続的な治療は必要になります。時々、「乾癬が完全に治る」といった民間療法の広告を見かけますが、全く医学的根拠の無いものですので騙されないように注意しましょう。

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